2025/02/07更新
-
令和6年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業
舞台公演記録のアーカイブ化のためのモデル形成事業
シンポジウム ドーナツ・プロジェクト2024
舞台芸術アーカイブの可能性
~劇場の記憶を紡ぐために~
-
日程:2024 年 12 月 5 日(木)18:00~20:30(開場17:30より)
会場:早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホール
https://www.waseda.jp/culture/about/facilities/
参加無料
※予約は終了いたしました。
第二部登壇者(敬称略)
-
- 平田オリザ
- 劇作家・演出家、芸術文化観光専門職大学学長
-
- 外波山文明
- 劇団椿組座長・役者
-
- 宮澤一彦
- 株式会社俳優座劇場・劇場部
-
- 吉見俊哉(コメンテーター)
- 國學院大學教授
-
- 梅山いつき(コメンテーター)
- 近畿大学准教授
-
- 岡室美奈子(司会)
- 早稲田大学文学学術院教授、演劇博物館前館長
企画概要
早稲田大学演劇博物館は、個々の劇団や劇場で舞台公演記録のアーカイブ化と利活用を担うアートマネジメント人材の育成を目的として、令和4年より文化庁「大学における文化芸術推進事業」の助成を受け、「舞台公演記録のアーカイブ化のためのモデル形成事業」通称「ドーナツ・プロジェクト」を行っております。例年夏に開催される連続講座は今年も多くの方々に受講していただき、盛況のうちに終了いたしました。
この講座の成果を踏まえ、舞台芸術のアーカイブに関するイベント「シンポジウム ドーナツ・プロジェクト2024 舞台芸術アーカイブの可能性~劇場の記憶を紡ぐために~」を開催いたします。
- 第一部:ドーナツ・プロジェクト連続講座を振り返る
本プロジェクトの根幹でもある、舞台芸術アーカイブの担い手を育成するための連続講座を、3年間連続受講した石本華江さん(慶応義塾大学アート・センター、土方巽アーカイヴ)、辻村優子さん(俳優)とともに、演劇博物館前館長・岡室美奈子(本学教授)が振り返ります。
- 第二部:トークセッション
「舞台芸術アーカイブの可能性~劇場の記憶を紡ぐために~」
第二部では、2024年に閉館した〈こまばアゴラ劇場〉、花園神社での野外劇の終了を発表した〈椿組〉、2025年に閉館を迎える〈俳優座劇場〉から、平田オリザ氏、外波山文明氏、宮澤一彦氏をお招きし、デジタルアーカイブ学会会長で國學院大學教授の吉見俊哉氏と、近畿大学准教授でアングラ演劇や野外劇の研究者である梅山いつき氏を交えて、劇場に関する記録/記憶がどのように保存され活用されていくのか、その展望についての議論を展開します。司会は岡室美奈子前館長が務め、ドーナツ・プロジェクトが提唱してきた「失われるドーナツの空洞」と「保存・記録されるドーナツ」をテーマとし、舞台芸術アーカイブの意義と必要性について来場者の方にも考えていただく契機となることを目指します。
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
プログラム
- 開会の挨拶
- 18:00〜18:05:演劇博物館より開会のご挨拶
- 第一部 「ドーナツ・プロジェクト連続講座を振り返る」
- 18:05〜18:10:今年度の成果報告(ドーナツ・プロジェクト担当者)
18:10〜18:40: - 受講生による発表 (辻村優子、石本華江)&岡室美奈子によるコメント
- 18:40~18:50:休憩
- 第二部 トークセッション「舞台芸術アーカイブの可能性~劇場の記憶を防ぐために~」
- 18:50〜20:25:
- [スピーカー]平田オリザ、外波山文明、宮澤一彦
- [コメンテーター]吉見俊哉、梅山いつき
- [司会]岡室美奈子
- 閉会の挨拶
- 20:25〜20:30:演劇博物館より閉会のご挨拶
※時間はすべて予定となっております。
登壇者プロフィール(第二部)

平田オリザ(劇作家・演出家、芸術文化観光専門職大学学長)。国際基督教大学在学中の 1983 年に劇団「青年団」を旗揚げ。日常的な口語による劇作を「現代口語演劇」として理論化し、演劇界の大きな潮流を作る。1995 年『東京ノート』で第 39 回岸田國士戯曲賞、2019 年『日本文学盛衰史』で第 22 回鶴屋南北戯曲賞を受賞。2011 年フランス文化通信省より芸術文化勲章シュヴァリエ受勲。2019年より兵庫県豊岡市に移住、江原河畔劇場を設立。豊岡演劇祭フェスティバル・ディレクターもつとめる。

外波山文明(劇団椿組座長・役者)。1947 年長野県出身。1967 年演劇集団「変身」入団。街頭劇や野外劇を経て 71 年「はみだし劇場」旗揚げ。立松和平、中上健次らと組み全国各地で野外劇を展開する。86 年新宿花園神社にてテント野外公演始める。その夏の花園神社野外劇は今年 39 年目で幕を閉じる。他に劇場でのプロデュース公演を精力的に行いつつ外部劇団への客演、映画・テレビドラマ・アニメ声優等多方面で活躍。新宿ゴールデン街の理事も務める。

宮澤一彦(株式会社俳優座劇場・劇場部) 。1980年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科演出コース卒業後、2003年11月株式会社俳優座劇場、劇場部に入社。以降約20年間、劇場運営、プロデュース公演での演劇制作に従事。近年では『彼らもまた、わが息子』(2020)『聖なる炎』(2023)企画制作を担当。独立行政法人日本芸術文化振興会演劇専門委員(2023・2024年度)。日本新劇製作者協会理事。

吉見俊哉(國學院大學教授)。デジタルアーカイブ学会会長。1957年、東京生まれ。社会学・文化研究。集まりの場のドラマ形成を考えるところから近現代日本の大衆文化と文化政治を探求、日本のカルチュラル・スタディーズを先導した。主な著書に、『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』『親米と反米』『ポスト戦後社会』『大学とは何か』『夢の原子力』『アメリカの越え方』『視覚都市の地政学』『平成時代』『アフター・カルチュラル・スタディーズ』『五輪と戦後』『東京裏返し』などがある。

梅山いつき(演劇研究者、近畿大学准教授)。1981年新潟県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。演劇博物館で小劇場演劇や野外劇に関する企画展を手がけ、現在、近畿大学准教授。アングラ演劇をめぐる研究や、野外演劇集団にスポットを当てたフィールドワークを展開。東奔西走して劇場をめぐる放浪評論家でもある。著書に『佐藤信と「運動」の演劇』、『アングラ演劇論』、『60年代演劇再考』(岡室美奈子との共編著)など。

岡室美奈子。早稲田大文学学術院教授、演劇博物館前館長。文学博士。専門は現代演劇論、テレビドラマ論。日本演劇学会理事、デジタルアーカイブ学会理事、文化審議会文化経済部会副座長などを務める。著書に『テレビドラマは時代を映す』(ハヤカワ新書)、共編著書に『六〇年代演劇再考』(水声社)など、訳書に『新訳ベケット戯曲全集1 ゴドーを待ちながら/エンドゲーム』(白水社)などがある。ドーナツ・プロジェクト立ち上げメンバー。
発表者(第一部)
左:辻村優子(俳優)
右:石本華江(慶應義塾大学アート・センター 土方巽アーカイヴ)photo:©Aleksandr Sasha Drozd